米ドル不安と人民元のゆくえ

小びとシストレがお送りするFXのEAの選び方

FXトレードのツールとしてすっかり定着したMT4。チャートを見るだけでなく、じつは裁量取引、シストレ、半自動売買の3通りに使える優れものだ。今回はMT4の魅力と潜在的にもつポテンシャル、そして、上手なつき合いかた、FXで勝つための上手なEAの選び方を解説してみたい。

米ドル不安と人民元のゆくえ

今回の震災で、近い将来、日本が経常赤字国に陥り、国内で手当てできた日本国債のファイナンスを海外から手当てしなくてはならず、世界のマネーフローが逆流するのではないか、という懸念を持つ向きもある。

 

しかし、仮にそういった状況に陥ったとしても、中国の外貨準備はいまや3兆ごと世界の経常黒字国の外貨準備合計(約9兆ご)の3分のIに達し、現在も増え続けている。この中国のキャッシュフローがマイナスにさえならなければフールトーインバランスは維持できる。

 

むしろ注意すべきは経済問題というより中国国内の政治問題、民族問題が顕在化し、それがきっかけになって中国の経済に大きな衝撃を与え、外貨準備で増やし続けてきた海外資産を減らさざるを得ない、といケ事態に追い込まれることである。これがいま、世界経済が抱える最大のリスクではないだろうか。

 

G20(世界の主要20力国・地域)の首脳が、こうしたリスク認識をどこまで共有しているかは不明である。しかし基軸通貨ドルが不安定で不十分な通貨であることは皆分かっていても、当面は支え続けなければならないとの思いは共通であろう。

 

ドルに代わる国際通貨に関して世界で合意が得られていない以上、当面このワールドーインバランス、不均衡を世界で支え続け、徐々に解決を図るしかない。その意味で、世界は漸進的なドル安を容認せざるを得ないであろう。

 

一方、中国元については徐々に切り上げていくことになろう。中国自身が、外貨保有ポートフォリオからドルの比率を急激に減らすことは、自らの足元を掘り崩し危機のき金を引くことになることを一番理解しているはずである。

 

さらに最悪のシナリオとして日本も中国も米国債を買い支えることができない状況に追い込まれた場合、代わりになる購買力をどこに求めるか、緊急避難的に買い支える機関を世界でどう整備していくかを今から議論しておくことが重要になる。