米国のドルのクレジットが失われるとき

小びとシストレがお送りするFXのEAの選び方

FXトレードのツールとしてすっかり定着したMT4。チャートを見るだけでなく、じつは裁量取引、シストレ、半自動売買の3通りに使える優れものだ。今回はMT4の魅力と潜在的にもつポテンシャル、そして、上手なつき合いかた、FXで勝つための上手なEAの選び方を解説してみたい。

米国のドルのクレジットが失われるとき

3月11日の東日本大震災を契機に、ワールドインバランス(世界の不均衡)とドル基軸通貨体制の行方に改めて世界の注目が集まっており、米国のクレジットリスクが台頭してきている。インバランスとは、世界最大の債務国であり、世界最大の消費国である米国の経常収支赤字を、中国や日本をはじめとする経常収支黒字国足業製品の生産・加工国)や資源産出国がファイナンスしている状況を指す。分かりやすくいえば、日本や中国が世界から資源を購入し、これを加工して工業製品をつくり、米国に購入してもらう代わりに、日本と中国が米国の借金を引き受ける、という構造である。

 

米財務省によれば、2011年の米国債(市場性のある財務省証券)の発行残高‐(3月末)は約9兆6500億ご。そのうち海外保有残高は4兆4,743億ご(2月末)で、香港を含む中国が1兆2787億ドル日本が8903億ごを保有している。つまり日中両国が市場でファイナンスされた米国債発行残高の約4分の1、米国債海外保有残高の約2分の1を引き受けているのである。しかし、米国が際限なく経常赤字と財政赤字を増やし続けることは不可能であり、一方で日本や中国が米国の経常赤字を支え続ける構造にも限界がある。その行き着く先として世界が懸念するのが、米国債の買い手が減り、ドルの信認が失われ、ドル基軸通貨体制が終焉するのではないか、というシナリオである。

 

特に今回、日本が大震災で被災し、巨額の復興資金需要による財政の悪化や貿易収支の赤字化が見込まれることから、この「インバランス」の危うさが世界で意識され始めている。